ドバイで首長国出身アーティストを発見する

ドバイ出身のアブドゥル・カーダー・アル・ライスは、数十年にわたり絵を描き続けており、アラビアのカリグラフィと幾何学的な形態を特徴とする抽象的な油絵で有名です。最近では、地元の伝統的な建築物や野生動物に焦点を当てた見事な風景画の水彩画を制作しています。また、エミレーツ・ファイン・アーツ・ソサエティを共同設立し、地元の芸術家の作品を支援・振興しています。彼の絵画は国際的な展覧会に出展され、大英博物館やクウェート近代美術館に収蔵されています。

エミラティの父親とノルウェイ人の母親の元で生まれたアマリ―・ベルジャフラの芸術は、彼女のハーフという出自の影響を強く受けています。アル・ラシディヤ（Al Rashidiya）にあるフナー・ギャラリー（Hunar Gallery）では、彼女の複雑で超現実的なデザインの数々を見ることができます。 スーク・マディナ・ジュメイラ（Souk Madinat Jumeirah） で展示されている夢のような壁画「ヌール・ザイード」を目にすれば思わず感嘆の声を漏らしてしまうでしょう。デザイナーのシェイカ・マリアム・ビント・カリファ・サイフ・アル・ナヒャンとのコラボレーションでMKSジュエリーレーベルの新しいラインも作っています。アートにインスピレーションを受けたジュエリーは、 ドバイのブルーミングデールズ（Bloomingdale's）で独占販売しています。

ドバイの統治者の姪のシェイカ・ラティ―ファ・ビン・マクトムは、自然や女性、人生の変化などからインスピレーションを得て、たくさんの写真を丁寧に組み合わせて一枚の作品にしたデジタルコラージュを制作しています。シェイカ・ラティ―ファの芸術作品は、2004年以来多数の展示会に出展されています。2008年には タシュキール（Tashkeel） アートスタジオを アル・ファヒディ歴史地区（Al Fahidi Historical Neighbourhood）にオープンしました。ここでは地元と国際的なアーティストの作品が展示されています。

ドバイで最も有名なアーティストの一人であるマッター・ビン・ラヘジは、独学で画家、写真家、彫刻家として活動しています。彼の作品の多くは、 アヤという作品名の高さ8mにも及ぶスチール製インスタレーション（ シティウォーク（City Walk）に常設されている）など、ドバイ周辺に展示されています。 また、アル・ワスル通りの ボックスパーク（BoxPark） にある自身の名を冠したギャラリーでは、彼の20年に及ぶキャリアの中で生み出された作品を鑑賞することができます。もっと実践的な体験をお好みの方は、隣のスケッチスタジオ（Sketch Studio）を訪ねてみてください。こちらのスタジオはマッターの娘ブタイナが運営しており、訪問者は絵画や彫刻、陶芸を体験することができます。

コンセプチュアル・アーティストのムハンマド・カゼムは、エミラティの著名なアーティスト、故ハッサン・シャリフの指導を受け、その後、独自のスタイルを確立しました。ビデオ、サウンド、パフォーマンス・アート、写真などの分野で活躍する彼の作品は、ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイムやアブダビのエミレーツ・パレスをはじめとする一流ギャラリーや美術館で紹介されています。カゼムは、テキスタイルからチューインガムまで様々な素材を作品に使用し、ロールス・ロイスなどのブランドとのコラボレーションで注目を集め、オークションハウス「サザビーズ」では素晴らしい売上を記録しています。

抽象芸術家のナジャト・マッキは、エミラティの女性として初めて政府奨学金を得て、海外で芸術を学びました。40年にわたり地元のアートシーンの最前線で活躍する彼女の作品は、ヨーロッパと中東で展示されています。また、ドバイ・カルチュラル・カウンシルの会員でもあります。マッキの作品は、実験的な色使いで知られており、しばしばサフランや アラビアのヘナなどの伝統的な染料を使用しています。 街の風景や民話からインスピレーションを得るとともに、女性の役割など社会的な問題を反映させています。